ドスコイ墓場

オタクの話やオタクじゃない話や

感想ズエイト(~2023.11.26)

感想のオーシャンズ8、感想ズエイト。

最後とかもう会話のメモ。

 

あと全部書いてから気づいたけど9個あった

 



 

 

・川口翼「心臓」

東京都写真美術館東京都写真美術館ってどう略せば良いんですか〜の売店で立ち読みし目が離せなくなった川口翼の写真集「心臓」を購入。壊れたカメラで撮った「あの夏」と、翌年新しいカメラで撮った「この夏」が納められた写真集。理想化された夏を擦り倒すなんて私はもうまっぴらごめんだが、川口が撮った夏はただそれぞれの記憶の扉を密かにノックするものだった。そして夏に酔いしれることも拒否していた。見たことがないのに覚えがあるような感覚が湧き立つ。それぞれの記憶の中に夏があるのでなく、夏そのものに私たちの記憶が帰属しているような感覚。おぞましいことだが、おぞましいことが嬉しい気持ちもある。川口が「写真は写真として始まり、写真に化け、何事も語らぬまま一切の形容を拒否し続け、写真として終わってほしい」と記していたことも私には喜ばしかった。写真のみならず、そうであってほしいから。この日見た展示はその真逆に感じられ、私はひどく落胆していたから。

 

fugensha-shop.stores.jp

 

小泉今日子「KYOKO KOIZUMI CLUB PARTY 90's」 zepp divercity公演

開演即水のルージュを歌いながら優雅に腰掛けるキョンキョンが観れた時点でチケット代の元が取れていてよかった。KOIZUMI IN THE HOUSEを愛聴しているだけの私が行っても、充足感が底知れないほどの良いライブだった。女性上位万歳と歌ってくれた時にはグッと泣いて笑ってしまった。少し前にあまちゃんを見ていた時、キョンキョン演ずる春子が「私は誰のおばさんでもありません」というセリフを放った時閃光が走ったが、今回もそう。キョンキョンは閃光を走らせる人。MVは終演後初めて見たのだが、タバコをガンガン吸っていて最高だった。アンコールで、スタッフに「小泉今日子最大のヒット曲ですよ」と促されたため当初セトリに入れないつもりだったが思い直したという「あなたに会えて良かった」を歌ってくれた。会場の全員が合唱して、また泣く。

 


www.youtube.com

 

 

 

 

OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto Go to the future~京都から未来へ~」京都南座


www.youtube.com

 

今期の朝ドラ「ブギウギ」の主人公は笠置シヅ子がモデルなのだが、シヅ子がソロで活動する前に所属していたのがこのOSK日本歌劇団である。劇中、主人公の先輩役として出演していた翼和希さんに”やられて”しまったので、京都まで急遽観に行くことに。お目当ての翼和希さんを拝見できたのはさることながら、覇王色を纏うトップスターの楊琳さん、どう見ても「嘘」の凄い仕上がり天輝レオさん、キャワいく天真爛漫な身振りの唯城ありすさん、返事が「フォイ」椿りょうさん、など、挙げてもキリがないほどスターのみなさんを観ることができてとても良かった。歌劇というものに触れたことがなかったのだが、非日常的な表現を最大まで引き上げて、歌と踊りにあるまばゆさと喜びをストレートに届けてくれるのが気分爽快といった趣だった。写真買いました。

 

 

 

・来世は他人が良い 8巻

誰にも理解も許容もされない異常性(ここでは端的にそう言ってしまうが)を以って生きてきた霧島が、自分と同じ異常な人間を見つけ出した時の鮮烈で苛烈な描き方が心に残った。この世にただ1人自分と同じ人間に会うために11歳の子供が新幹線のチケットを取り雨の中体を冷やしながら待ち、ようやく目が合った時の激しさ!たまんね〜

ネジが外れた奴には、ネジが外れた奴しかいない、自家中毒みたいな関係を築くペアが好きで、すんませんね。

 

www.cmoa.jp

 

 

・ゆっきゅん「年一」

年一

年一

  • ゆっきゅん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

「ドバッと急に泣いて叫んで走って帰ろ」「手を繋いで街を走ろうよ」ゆっきゅん作詞に表れる2人はよく走る。高揚した心は走る。そういえば数年前、進学で別れた友達の元へ遊びに行った。駅前から15分以上はかかる友達の家まで、2人で歩いて向かったが、寒いし、遠いし、坂だし、やっていられないから、何も言わずに早歩きになると、友達も何も言わずに早歩きになって追いついたので、スピードを上げて走ると、また追いついてきて、笑いながら肩を並べて走って帰った。互いに運動が得意ではないからすぐにへばった。走ることは時に信頼のしるしだ。説明もいらないほどの2人の歯車が噛み合えば、急速に回りだして誰もを置いていく。街中の疾走、マシンガントーク、バカみたいなスケジュール。「走ることって…時に信頼のしるしだよね。」と言えば、「は?」と返す人がいるあたたかさ。

 

・歯医者

10月に欠けた歯を治してもらって、今回は検査。恥ずかしさが閾値を超え、書くのもはばかられるが、「マジヤバい」という診断を受ける。「でもまだ若いから…」と優しくされるが、私はいつまで若さひとつですべてを容赦されるのだろう、と、歯医者で考えなければならないのは何故だ。歯の磨き方を教えてもらう。甘いものは時間を決めて、夜は歯を磨いたらそれ以降は食べない。摂るにしても水かお茶。私はあと数ヶ月でまた歳をとるというのに。

私の歯磨きの所要時間は3倍になった。嘘でも良いし、遠くを見ていても良いから、頭を撫でて褒めてほしい。歯科衛生士に。LINEも教えてもらいたい。毎日の歯磨きを報告して褒められたいから。

 

nobodyknows+「アンダーレイン feat.プリメラ」

 


www.youtube.com

 

ラヴィット!にダブルヒガシが出演した際にこの曲が流れていて、なんか…好きかも。と検索してたどり着いた。ダブルヒガシの出囃子だと検索してから知る。好きかも。と思った時は、もう好きということでは。人と衝突するまでに蓄積された澱はその様相を簡単に言い表せないものになっていることが多いが、そんな汚れを大雨が洗い流し、後には晴れた空だけが残るよう望んでいる脆さが私は好きだ。”一人になる怖さに手を振って…”ダサいが愛しい人間の姿だと思う。

 

・11.13のメモ

「天輝レオさんね。…嘘。(指差し)だよね。」「芸風?」「橘大和かと思ったら、大和橘だったね。」「あの場面すごかったね」「…すごかったね」「スピンオフが必要だよね」「ライジン若冲とかできたんだしさ…」「ライジン若冲

 

「でもポッドキャストって音楽かけられないですよね?」「いや、スポティファイだったら多分大丈夫、スポティファイの中にある曲?っていうか、スポティファイ…」「スポティファイ」「でも葬式でかけてほしいプレイリストって坂本龍一も作ってたんですよ。だから大丈夫です」「9nineって、人の口から聞くことないから」「変だと、思う人はいるかもしれないですけど、それはこっちが変だってことにはならないから。変だと思う人が、存在しているって、だけですから」「カラオケしながら電話って難しいですね」

 

・11.26のメモ

「ラーメンって男性ばかりで怖い」「ピザとパスタを頼んで、分けるべきだった。何でこんなことに気づかなかったんだろう?バカなのかな」「同じピザ2人で頼んで、絶対バカだと思われてると思う」「言ってくれれば良いのにね。ピザとパスタにしてシェアした方がいいですよって」「書いといてほしかった」

「岸優太さん、わかる?想像できる?なんかあんな感じの、人に愛される才能というのが、著しく欠けてて…」「どうにかできたんじゃない?っていう、疑念」「セーフティスペースが幼い頃からなかったっていうのはもう変えられないから、払拭できないもんね」「高一の夏、突然空虚に気がついて…」「高一の、夏!?」「なんかカウンセリングしてもらってごめんなさいね」「人との会話は鏡だね」

 

 

冬が近づくにつれ体は冷えて動きが遅くなる。余計なエネルギーを消費して死に近づくのを避けている。今月はずっと体調が悪かったが、良いこともあった。買ってもらった桜のパラソル、大笑いのサイゼリヤ、水しか飲まないカラオケ、ガキに紛れて2人して暗い顔で泥の塊になりながらの会話、よく覚えている。