ドスコイ墓場

オタクの話やオタクじゃない話や

韓国へ行った(20181123〜1128) その2 おわり

 

wnktm.hatenablog.com

 

 

 

続きです。

 

11.25 3日目

若者の集う街ホンデ(そうなん?知らんけど)にせっかく泊まったので1日買い物をしようと当初より決めていた。このあいだ部屋の大掃除をした時に厄を落とすようにバカバカ服を捨てたら冬服が無くなってしまったので、旅行にはロクに服も持って行かず韓国で洋服爆買い中国人になるぞと考えていたのだ。

観光なんて全くする暇がなかったATEEZショーケースの日、一緒に現場に入ったお姉さん(呼称を決めかねた)と終電までまだ少し残っていた時間で向かい 爆速で歩いてチキンを食べて帰った場所ホンデ。

 

「ホンデは休日でも人がそんなに多くなくて良いよ」とその時言われた通り、1日中歩きまわっていたのに疲弊する感覚はあまりなかった。自分の住んでいる国なのに新宿を歩く方がよっぽど辛い。東京は孤独の土地。loneliness tokyo

youtu.be

私は韓国フリークでもなくそもそも出かける時に予定を細かく立てることもしないので、ホンデにどんな店があるのか、そういったことは何も知らないまま適当にブラブラ歩いて適当に店に入って好きなものを買った。

物が安くて、店員が気を抜いて接客してて、韓国の若者特有の感覚が実際街から見えてくる感じがとても心地よかった。緊張で体が固くなったりしない。知らない土地を1人で歩くのは夢の中にいるのと似てるような気がした。明晰夢

 

フラフラ歩き続けているとどこからか知っている曲が聴こえてきた。

I miss you

I miss you

  • provided courtesy of iTunes

 

 

これ…D-CRUNCHちゃいますのん!?!?D-CRUNCHはつい先日もホンデでバスキンをしていた。勘が働き音の源へ駆け出すと案の定D-CRUNCHがいた。

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「D-CRUNCHおるやん!!!!!!!!!」と叫びながら彼らの周りにできていた輪に加わった。どうやらこのD-CRUNCH風船を配り歩いた後にここでバスキンを始めたようだった。意図せず生でアイドルを見れるとお得感が高い。彼らはしっかりアイドルをしていたし、頑張って生きていた。

最後にハイタッチの時間が用意されていて、しかも誰でも参加できたので私も波に飲まれながらハイタッチしてもらった。カムサハムニダカムサハムニダ…と言い続けた。カムサハムニダだったから。

 

 夜ご飯を食べた後宿へ帰る道を歩いていたら前にD-CRUNCH風船を持ったおじさんがいて驚いた。あんたそれどういう気持ちで持って歩いてんだ。

 

11.26 4日目

SMTOWNミュージアムに行こうと決めていた。その前に最近ARMYになった友達にLINEフレンズストアでBT21のなにかを買っていこうと思い、ビデオ通話でストアの様子を見せながら品物を選ばせていたら携帯のデータ消費が爆速で進みキレてしまった。

電車に乗りCOEXへ向かった。

 

COEXデッケ〜〜〜〜〜〜〜〜

 

都市やん。

金に物を言わせたようなエレベーターでSMTOWNミュージアムのある4階まで上がった。金がある事務所だな。

 

展示は数も情報量もぎっしり詰まっていた。アテレコスタジオみたいなのがあってそこでSMアーティストの歌をカラオケできたので、散々悩んだ挙句に少女時代oh!GGを歌った。なんでかは今でもよくわからない。

チケットのQRコードを読み込むとアイドル達と一緒に写真に写れる機械がアーティストごとにあったので全部やった。REDVELVETと写真を撮った時、死にたいと思った。

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怖すぎてちびるからやめてほしい。

 

 

まあまあ人がいてカフェで何かを頼んだりできなかったので、近くのごはん屋さんに移動した。スンデを初めて食べたのだが、めちゃくちゃ怖かった。何を食っているのか脳が明確に認識できない感じの食べ物。普段ブラックホールのようにご飯を食べる私が残して帰ってしまった。

 

そのあとJYPの事務所を見に行くことにした。

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1階のカフェでフルーツスムージーを飲んで休憩した。大画面でMVが流れるので大変興奮した。大画面でMVが流れるだけで満足できるあたり、本当にオタクってコスパが良いと思いませんか。4人組のヨーロッパ系のお姉さんたちが先にお茶をしていて、TWICEのSIGNALが流れると座ったまま一曲まるまる踊っていた。

 

COEXに戻ってまた別の姉さんとごはんを食べた。韓国でオタクと会って過ごすのは良いな。今年ツイッターを始めたのだがそこで繋がって、会ってくれたオタクがみんな豊かで面白くて気のいい人ばかりでとても嬉しい。

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なぜかパネルの外れたビジョンに、このチャニョルのセンイル広告が現れる瞬間を写真に収めようと二人でじっと待機していた時間が好きだった。

 

ゲロの匂いが漂う電車に乗り、ずっとアイドルの話しをしながら宿へ帰った。

11.27 5日目

夕方からATEEZのTHESHOW収録本番へ参加するため、日中はホンデをぶらぶらしていた。お腹が空いたのでLocoがやってるハンバーガー屋に行くことにした。

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バンズが臭くなくて美味い。Locoがなんでハンバーガー屋やり始めたのか全然意味がわかんないけど美味しかったので感謝した。Locoマジでありがとうな。マジでノムジナチョ。

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サラダを食べるために用意されてたフォークがベビーサタンが持ってるやつだった。

 

 

ATEEZの所属するKQENTERTAINMENTの事務所がホンデにあるので、見に行くことにした。ここに帰ってくんだな…あの子達…と思いながら写真を撮った。(載せない)

 

近くのカフェに入ると綺麗なお姉さんと猫がいた。勝ちカフェだ。

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ヒンという名前の猫は店を縦横無尽に動き回った。レジにも上る。でも誰も怒らない。お姉さんは途中で外に出てご飯を入れた。少しすると野良猫が来て、お姉さんが入れたご飯をガツガツ食べ始めた。お姉さんはニコニコしながら もっと食べる?とかそんなことを語りかけていた。

 

眠りそうなくらい穏やかな空気の流れるその店で、ケーキとコーヒーを摂取してDMCへ向かった。

 

ーーーここから若干めんどくさい文章のTHESHOW編なので飛ばすことを推奨ーーー

DMCについてしばらくして、ATEEZファン枠の点呼の時間になったので列に並んだ。点呼され待っていると、ワナワンやNCTが出ていたからだろうか、初めてATEEZファン枠で本番に参加しようとする人間に対しマネージャーから「「尋問」」が行われた。要はATEEZファン以外の人間が紛れ込んでいないか識別するためにやっているみたいだった。案の定私は推しの名前や誕生日が尋ねられたことはわかっても、深い質問になると韓国語がわからず何を聞かれたのかわからなかった。答えられずにいると「Twitterを見せろ」と言われたのでホーム画面を見せた。私はATEEZ専用のツイッターアカウントではないので、その時タイムラインにはNCTジェノの投稿が映った。「NCT?」と聞かれあ…私は…たくさん…フォロー…とわずかに知っていた韓国語で伝えると、「確信が持てないから入れられないかもしれない」と言われた。

なんというか、仕方のないことなのだ、いろんなことが。尋問があったり(なくてもよくね?とは思うけどあってもしょうがないとも思える。)私が信用されなかったり。ただ私もある程度ATEEZのファン活動をやれる分はやってきたし、何より楽しみにして来たので、道理はわかっていても普通にショックを受けてしまった。

食い下がって「私ペンサ行きました」と言い動画を見せたら、なんとか一番後ろの列だったが入れてもらえた。

 

本番が始まり、いろんなアーティストがパフォーマンスを始めた。初めて聴く曲や知らないグループがチラチラ出て来て、私はノリノリで楽しんでいた。けれど周りの人間のほとんどが棒立ちで、なんならパフォーマンス中に座って休憩しているNCTジェノの方にスマホでスローガンのようなものを表示して気付いてもらおうとしている人もいた。(やっちゃダメな行為)

あれ?なんか…あれ?と違和感が芽生えた。

 

本番が終わるとTHESHOWは退勤VLIVEなるものがあるのでテレビ局のエントランスホールのようなところへ移動する。私も移動し比較的近くに位置をとった。司会のジェノとボミンが入ってくると、私は必死にスマホで動画を撮り始めた。そのあと出てくる全てのアイドル、無論ATEEZにもカメラを向けたし、周りの人間も皆そうしていた。何を話していてもどこを向いていても全てカメラに収めようとした。

 

退勤Vが終わり帰路につこうとした。なぜだかどっと疲れた。足が重い。なんだか泣きそうな気分になった。

 

私何やってるんだ?

みんな何やってるんだ?

私はなんでここまで来たんだ?何がしたかったんだっけ。ATEEZが歌を歌うから、踊るから、それが見たかった。ATEEZの歌が好きだし、踊ってるところはもっと好きだ。それが見たくて、チャンスも得たからここまで見に来たんだった。それが今彼らを見ずにスマホに動画を残すことばかり考えていた。近くに来たことにばかり興奮していた。なんだそれ、何にもないのに。そこに何にもない。何をやってるんだ?

私がATEEZにたどり着くにはそもそもKPOPを聴くというベースがあって、KPOPを聴き始めたのはこの音楽が好きだと思ったからだ。いっぱい良い曲を聴いた。みんな音楽が好きなんだと思った。

でも本番に参加した人間の空気とか退勤Vでカメラを構えたりペンラを振りまくってアイドルに気付いてもらうことに注力している人とか、果てはサイン会の様子とかを思い出して、違うとわかった。認知をもらったり、目があったり、そういうとこに一番重きを置いてる人が、ファンとして多い。別に音楽も好きだと思う。でもその人たちにとって多分一番はそこじゃない気がした。

私はKPOPが好きで、一緒に好きだと言ってくれる人とただ、それを聴きながらはしゃいで、音楽を楽しむ時間を共有するのが一番の喜びだった。けどここにはそんな時間が全くない。楽しみ方は自由なのは当たり前だし、アイドルのファンなら別におかしいところは何もないんだと思う。

ただ私の思い描いていたものと違っただけだ。

虚無感にひっきりなしに襲われた。理想と違ったのもそうだし、その理想と違う行為に興じていた自分がいたことにもひどくやるせなくなった。

アイドルに近づいて孤独を感じるのは本当に辛かった。多分、多くのオタクはそんな暗いことを考えない。生活とオタクを切り分けられるからだ。だから接触を楽しんだり認知に注力したりできる。私が悪い。私が人生を営むのが下手なせいで、オタクすらも上手くやれない。上手くやるとかいう言い方があってるか知らないけど。現実逃避に来たのに、ここでも結局自分の人格・人生から逃れられない。ただのオタク活動なのに結局こんな重くて壮大に考えることになってしまう。虚無だった。

自分の虚無を知ることは苦しい。

今でも自分のこの時の気持ちの実態を把握しきっているわけじゃないんだけど、概ねこんなことが理由だと思う。

 

帰って何もする気が起きなかった。

ーーー重めのバース終了!!!!!!!!!!!!!ーーー

 

11.28 6日目

もう帰るだけになったのでさっさと空港へ向かった。

フードコートでドーナツを食べようと、すでに並んでいた韓国人の3人親子の後ろに並んだ。赤いコートを着た5歳くらいの女の子がろれつの回らない韓国語でたくさんのドーナツをおねだりしていた。その子の父親の持つトレーへ山のように積まれたドーナツを尻目に、ふたつだけドーナツを選んだ。

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クマの顔をバリボリ食らって飛行機に乗った。

 

 

韓国がどんな国なのかを私は画面越しに想像するしかなかったから、街を歩いてお店に入って、韓国の人の生活が見れたことがよかったなと思う。韓国は夢の国じゃなくてちゃんと人が生きてる国だった。私に似た人も似ていない人もたくさん住んでいる、多分

 今度はもっと暖かいときに、ラブオタク(好きなオタク友達のことを勝手にそう呼んでいる)と遊びに行けたら良い。

 

 

 

帰って普通に風邪をひいた。ちゃんと生きているな。

 

 

Intro: Long Journey

Intro: Long Journey

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